メールマガジン
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労働情報 2018年9月号(毎月20日発行)
東京都産業労働局雇用就業部労働環境課労働担当
東京都新宿区西新宿2-8-1 TEL:03(5320)4647
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1 一般労働情勢
2 集 会
3 大 会
4 紛争議
5 主要労働統計
6 労働組合等の行動日程(8月)
■■1 労働情勢 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・↑↑TOPへ戻る↑↑
【調査・統計】
(1) 7月完全失業率は2.5%-総務省労働力調査速報ほか
http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/pdf/201807.pdf
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000212893_00006.html
総務省統計局は8月31日、「労働力調査(速報)平成30年7月結果」を公表した。7月の完全失業率(季節調整値)は2.5%(前月に比べ0.1ポイント上昇)。
就業者数は6,660万人で、前年同月に比べ97万人の増加で、67か月連続の増加となった。
雇用形態別雇用者のうち、正規の職員・従業員数は3,522万人。前年同月に比べ93万人の増加であり、44か月連続の増加となっている。非正規の職員・従業員数は2,103万人。前年同月に比べ35万人の増加であり、10か月連続の増加となっている。
完全失業者数は172万人で、前年同月に比べ19万人の減少となり、98か月連続の減少となっている。
また、厚生労働省が同日発表した「一般職業紹介状況(7月分)」によると、7月の有効求人倍率(季節調整値)は、前月に比べて0.01ポイント上昇し1.63倍(正社員1.13倍)。
都内の有効求人倍率(東京労働局発表)は前月と同水準の2.16倍であった。
(2) 国民生活に関する世論調査
https://survey.gov-online.go.jp/h30/h30-life/index.html
内閣府は8月24日、国民生活に関する世論調査(平成30年6月調査)について、公表した。去年と比べた生活の向上感は、「向上している」と答えた者の割合が7.2%、「同じようなもの」と答えた者の割合が78.7%、「低下している」と答えた者の割合が13.8%となっており、前回の調査結果と比較して見ると、大きな変化は見られない。また、現在の生活に対する満足度は、「満足」とする者の割合が74.7%(「満足している」12.2%+「まあ満足している」62.5%)、「不満」とする者の割合が24.3%(「やや不満だ」19.5%+「不満だ」4.8%)となっており、前回の調査結果と比較して見ると、大きな変化は見られない。
(3) 平成29 年「労働安全衛生調査(実態調査)」の結果
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/h29-46-50_houdou.pdf
厚生労働省は8月28日、「平成29 年労働安全衛生調査(実態調査)」の結果を取りまとめ、公表した。調査の結果、リスクアセスメントを実施している事業所の割合は45.9%(平成28 年調査46.5%)、メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合は58.4%(同56.6%)、受動喫煙防止対策※に取り組んでいる事業所の割合は85.4%(同85.8%)、平成29 年7月1日が含まれる1か月間に100 時間超の時間外・休日労働をし、医師による面接指導の申し出があった労働者がいる事業所のうち、面接指導を実施した事業所の割合は68.4%(同68.3%)であった。
また、現在の自分の仕事や職業生活に関することで強い不安、悩み、ストレスとなっていると感じる事柄がある労働者は58.3%(平成28 年調査59.5%)であり、ストレスとなっていると感じている事柄(主なもの3つ以内)は「仕事の質・量」が62.6%(同53.8%)と最も多かった。職場で他の人のたばこの煙を吸引すること(受動喫煙)がある労働者は37.3%であり、そのうち、不快に感じること、体調が悪くなることがある労働者は38.8%であった。
(4) 年次別法人企業統計調査
https://www.mof.go.jp/pri/reference/ssc/results/h29.pdf
財務省は9月3日、平成29年度の法人企業統計調査の結果をとりまとめ、公表した。平成29年度の企業動向(金融業、保険業を除く)をみると、売上高については、製造業、非製造業ともに増収となった。経常利益については、製造業、非製造業ともに増益となった。また、設備投資については、製造業、非製造業ともに増加となった。なお、利益剰余金は前年度から40兆2,496億円上回り、増加率9.9%の446兆4,844億円となり、過去最高となった。
(5) 現金給与総額は前年同月比1.5%増、所定外労働時間は前年同月比1.8%減-厚生労働省毎月勤労統計調査
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/30/3007p/dl/houdou3007p.pdf
厚生労働省は9月7日、「毎月勤労統計調査(平成30年7月分結果速報)」を発表した。
従業員5人以上の事業所結果(速報)によると、現金給与総額は、前年同月比1.5%増の376,338円、特別に支払われた給与は、前年同月比2.4%増の111,787円となった。また、総実労働時間は、前年同月比0.4%減の145.4時間、所定外労働時間は、前年同月比1.8%減の10.6時間となった。
【国の動き】
(6) 「平成29年度使用者による障害者虐待の状況等」の結果
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000172598_00003.html
厚生労働省は8月22日、「平成29年度使用者による障害者虐待の状況等」を取りまとめ、公表した。通報・届出のあった事業所数は1,483事業所(前年度比12.7%増)、通報・届出の対象となった障害者数は2,454人(同44.6%増)で、いずれも前年度と比べ増加した。また、虐待が認められた事業所数597事業所(前年度比2.8%増)、虐待が認められた障害者数1,308人(同34.6%増)で、いずれも前年度と比べ増加した。受けた虐待の種別では、経済的虐待が1,162人(83.5%)と最も多く、次いで心理的虐待が116人(8.3%)、身体的虐待が80人(5.7%)となっている。
(7) 外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策検討会の発足
http://www.moj.go.jp/hisho/seisakuhyouka/hisho04_00066.html
法務省は、国民及び外国人双方の視点に配慮しつつ,共生施策の企画及び立案に資する意見聴取等を実施し,外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策を検討することを目的として、外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策検討会を発足した。
(8) 「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律の施行に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令案要綱」等の答申
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000091421_00001.html
厚生労働省は9月3日、厚生労働大臣の諮問機関である労働政策審議会(会長 樋口 美雄 慶応義塾大学商学部教授)が、8月27日に加藤 勝信 厚生労働大臣が同審議会に諮問した「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律の施行に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令案要綱」等について、労働政策審議会の各分科会・部会で審議を行った結果、答申を行ったことを公表した。
厚生労働省では、この答申を踏まえ、速やかに政令・省令・指針の制定に向けた作業を進めていく。
■■2 集 会 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・↑↑TOPへ戻る↑↑
(1) プレシンポジウム「脱貧困強制社会-働いた分だけしあわせに生きたい」(労働相談情報センター調べ)
東京弁護士会と日本弁護士連合会は、8月18日(土)13時30分から弁護士会館において「脱貧困強制社会-働いた分だけしあわせに生きたい」を開催し、関係者ら約80人が参加した。本シンポジウムは、日本弁護士連合会が10月に青森県で開催する人権擁護大会のプレシンポジウムのひとつとして開催され、ジャーナリスト、弁護士、労働組合関係者が若者の労働環境の実態や改善策について議論した。
冒頭、主催者を代表して安井東京弁護士会会長は、「現在の若者の労働実態を踏まえて、本来あるべき生活環境を共に学んでいきたい」と挨拶した。
基調講演では、ジャーナリストの藤田和恵氏が「私たちは『貧困強制社会』を生きている」と題して講演を行った。藤田氏は、貧困問題を取材するようになったきっかけや取材した若者たちの生活実態等を紹介した。一方で、現在、彼らが貧困問題を公にすると「自己責任だ」とバッシングされる社会的風潮があり、そのために人に悩みを話せず、沈黙を強いられている状態にあると述べた。
続くパネルディスカッションでは、東京弁護士会格差問題部会部会長の林治弁護士をコーディネーターに、パネラーに藤田氏、佐藤首都圏青年ユニオン事務局次長、竹村弁護士を迎えて議論した。佐藤事務局次長は、労働法を知らない経営者が多すぎるのでワークルール教育は重要であると述べ、かつ若年労働者が具体的に相談できる場所が必要であると主張した。竹村弁護士は、相談事例を交えながら「不安定で低処遇である非正規雇用が基幹化している」として若年労働者の就労実態について触れ、雇用保険制度等セーフティネットの充実を訴えた。藤田氏は、労働者が団体交渉などを通じて「正しく怒ること」は大切である、たとえ彼らが生活するのに精一杯でも、意見を言うなということにはならないと述べた。また、今後の展望として、佐藤事務局次長は、問題が起きたとき、辛いときは信頼できる相手にサインを出して欲しいと述べ、竹村弁護士は、非正規労働者に対する無期転換の出口規制とともに入口規制も必要ではないかと法の整備を訴えた。また、ワークルール教育に関して、労働組合と連帯していく必要があるだろうと述べた。
最後に、人権擁護委員会格差問題部会の森川弁護士より閉会の挨拶があり、シンポジウムは16時30分に終了した。
(2) 首都圏青年ユニオンに対する損害賠償請求訴訟―第4回公判(労働相談情報センター調べ)
8月22日(水)10時から東京地裁第527号法廷において、首都圏青年ユニオンに対する損害賠償請求裁判の第4回公判が開催された。本訴訟は今公判から労働部に移され、裁判官も3人による合議制となっている。公判では、被告ユニオン側から団体交渉の忘備録が提出された。裁判官からは原告社労士側の主張が曖昧としながら、組合側3人共同謀議のうえで不法行為を行った点について被告ユニオン側に認否と反対描写を準備書面として提出するよう求めた。裁判は弁論を継続するとした上で、10時15分に終了した。
公判後の報告会で、首都圏青年ユニオンから「原告は30人以上が団交におしかけたと主張しているが、団体交渉の備忘録によると12人であり、原告も人数の制限を求めただけで団交は正常に行われたことを認めている。この裁判の本質はスラップ訴訟にある」との説明があり、笹山弁護士からは「原告側が被告として求めていた神崎執行委員については請求放棄が成立した」との解説がなされた。
参加者からは、「ADR(裁判外紛争解決制度)の代理人しかできない特定社労士である原告が会社執行役員として団交に出席し、団交を主導していたのは脱法行為ではないか」、「事務所ホームページを見ると原告は特定社労士の資格を生かして会社の"用心棒"として役員になり、なにがしかの報酬を得ることをビジネスモデルとしており、今回の団交によってビジネスモデルに影響があるので提訴に及んだのではないか」との意見が出され、笹山弁護士からは「原告が執行役員を名乗るのであれば労働契約関係があるはずなので、会社との労働契約書を示すよう求めている」との発言があった。報告会は10時25分に終了した。
■■3 大 会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・↑↑TOPへ戻る↑↑
(1) 首都圏なかまユニオン第18回定期大会(労働相談情報センター調べ)
首都圏なかまユニオンは、8月5日(日)13時40分より、港区立勤労福祉会館において、第18回定期大会を開催し、組合員ら約30人が参加した。
冒頭、伴委員長が開会の挨拶を行い「安倍内閣はアベノミクス新自由主義路線によって雇用破壊と生活破綻を進めていく一方で、働き方改革などで国民の目線をそらしたり、オリンピック、テロ対策などを口実に世論操作をすることでしか物事を進められないという弱点が次々と明らかになってきた。この間、『生産性がない人間に税金を投入する必要はない』とする杉田議員の発言は差別と分断による支配層の露骨な攻撃であり、到底容認できるものではない。今年は森友疑惑、加計疑惑も文書改ざんまでして汚職隠しに走る一方で、経済再生、人づくり革命で世論誘導を図るこの政権を倒していく一年にしていきたい」と述べた。
続いて、指宿弁護士と新宿地区労センターから来賓挨拶が行われた。指宿弁護士は「現在なかまユニオンでは介護・福祉部会の取り組みをしていると聞くが、一つひとつのなかまユニオンの闘いが今の労働運動における新しい地平を切り開き、今は小さな火花であっても全国に大きく広がっていく可能性があると思う」と述べた。その後、過労死問題を考える家族の会が東京電力で働いていた19歳社員がパワハラを苦に自死した事件について語り、労災認定と損害賠償請求の裁判に対する支援要請を行った。
議事に入り、伴委員長から初めに「1.組合員300名の相互の力と協同の作風で職場・地域から『分会・地域支部』を作り上げ、組合員500名を実現しよう!」、「2.組合員の創意を活かした役割分担を進め、地域支部・『介護・福祉部会』の拡大、『女性部会』再建、『若者部会』の創設を進め、組合員の要求と組合拡大を実現しよう。みんなの力で当該が納得する争議勝利を勝ち取ろう!」、「3.『解雇金銭解決ルール』をはじめとした労働法制全面改悪を阻止しよう!全国一律・最低賃金時給1,500円、『貸与型奨学金』返還者対策をはじめ、『劣化する雇用』の転換を実現する全国キャンペーンを労組・市民(団体)の連携で作り出そう!」、「4.共同行動を発展させ、2020年改憲を阻止し、憲法に保障された基本的人権を実現しよう!」といったスローガンが挙げられた。その後、第1号議案「総括・方針」、第2号議案「会計報告」が提案され、続いて島会計監査から会計監査報告が行われた。
休憩をはさみ、各専労協から連帯挨拶が行われたのち、各争議の当該ら7人から発言が行われた。伊藤全国際自動車労働組合委員長は、「約7年かかった賃金未払い裁判も最終決着が今年の12月かもう少し先にはでるだろう。この裁判は負けるわけにはいかない。もし負けたらこの国の経営陣は歩合給を計算のうえ、残業代、交通費等を控除するという国際自動車の真似をするからだ」と述べた。発言を受け、伴委員長はまとめとして「各争議の中ではさまざまな課題があるが、あらためて相手に対する評価、要求を具体的に明確にして向かっていくことを進めながら勝利解決に向け共に闘っていきたい」と述べた。その後第1号及び第2号議案についての採択が行われ、両議案とも一括して挙手により採択された。
最後に役員選出が行われ伴委員長(再)、岩田事務局長(再)などが選任されたのち、大会は17時に終了した。
(2) 政府関係法人労働組合連合(政労連) 第96回定期大会(労働相談情報センター調べ)
政府関係法人労働組合連合(政労連)は、8月9日(木)10時より、連合会館において第96回定期大会を開催し、組合員ら約200人が参加した。
冒頭、主催者を代表して垣本中央執行委員長が挨拶に立った。垣本委員長は、政労連運動の主要な論点として、春闘の強化や行財政改革への対応、組織の拡大強化を挙げ、春闘統一交渉や国公連合・公務労協との連携の必要性について述べた。続いて、石原国公連合中央執行委員長、吉澤公務労協事務局長、那谷屋参議院議員(立憲民主党)、福島参議院議員(社会民主党)より来賓挨拶が行われた。石原中央執行委員長は、人事院勧告で5年連続の賃上げとなったことに触れると共に、「定年延長や長時間労働是正等の働き方改革を、連合と連携して推進することで、公務労働がブラックと言われないようにしたい」と述べた。
その後議事に入り、第1号議案「2017年度の運動を振り返って」、第2号議案「2017年度決算報告」の提案があった。質疑・討論では原子力ユニオン他2組合からの発言があり、「働き方改革を進めていく中で、互いの働き方を認め合う文化を形成するには何をすれば良いか」との質問に、職場でのコミュニケーションを取ることが大切であり、職場集会等、その機会を組合が提供することが必要であるとの回答があった。続いて第3号議案「2018年度運動方針」では、政労連運動の基調を「①他団体と連帯しての共闘、②国民・利用者の立場に立った事業展開、③政府関係法人の見直しへの慎重な対応、④賃金・一時金の政労連統一闘争、⑤ワーク・ライフ・バランスの実現、⑥組織強化、⑦雇用形態を超えた仲間の組織化、⑧政労連財政の再構築、⑨役員体制の検討」とする提案がなされた。質疑・討論では高速労中日本他1組合から発言があり、「建設関連企業は、民営化当初は想定されなかった、社会インフラの大幅保全や災害への備えに直面し行き先不透明である。引き続きの活動支援をお願いしたい」との依頼に対し、「建設関連企業は、インフラ保全と新たなインフラ開設の双方が求められている今、過剰労働にならぬ様、政労連としても注視していきたい」との回答があり、引き続きの共闘が確認され、第4号議案「2018年度財政方針」とともに採択された。なお、本大会の議案採択は全て拍手により行われ、質疑・討論に対しては渡邊書記長が一括答弁を行った。
役員改選では、垣本中央執行委員長(雇用労・再)、渡邉書記長(高障機構労・再)を始めとする新執行体制が決定された。その後、明日発表の人事院勧告の内容に対する見解、政労連出身の地方議員紹介、大会宣言提案、新旧役員挨拶があった。最後に、垣本中央執行委員長による団結ガンバローで、17時15分に大会は終了した。
(3) 新聞労連東京地連第92回定期総会(池袋事務所調べ)
日本新聞労働組合連合東京地方連合会(新聞労連東京地連)は、8月24日(金)15時から全水道会館において、「報道、表現の自由を守り、信頼されるジャーナリズムを目指そう」、「労働法制の改悪を防ぎ、長時間労働の是正を求めよう」、「不利益提案を阻止するため、経営監視を一層強化しよう」などをスローガンに、第92回定期総会を開催し、役員、代議員等約70人が参加した。
冒頭、主催者を代表して挨拶に立った山村委員長は、「東京地連は、この1年間、様々な行動や支援をしてきた。これだけ多くの仲間が一堂に集まるのは総会が最大の機会である。今日の総会は、我々執行部が1年間の活動を報告し、今後の運動方針や予算を決定する場となる。率直な意見を聞き、地連運営に反映させる場でもある。意見や質問があれば積極的な発言をお願いしたい。総会が活発な議論の場となることを期待する」と述べた。
その後、2017年度活動報告及び財政報告、2018年度運動方針案及び財政方針案の提案が行われた。
質疑、討論では、2単組よりいずれも執行部の提案に賛成の立場から、地連役員選出に関すること、単組が抱えている争議の状況及び加盟している日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)が行った「緊急セクハラ110番」の状況について意見、報告があった。
議事はすべて拍手で承認され、会計期間変更に関する規約の改正も投票によって承認された。役員改選では、委員長の選出には至らず、藤元副委員長(共同通信労組・新)、書記長に安本龍太郎書記長(時事通信労組・新)が選出された。
最後にスローガンが採択され、団結ガンバローで17時30分に総会は終了した。
(4)情報労連東京都協第20回定期大会(大崎事務所調べ)
情報産業労働組合連合会東京都協議会(情報労連東京都協)は、8月27日(水)14時から、ホテルラングウッドにおいて、「新たな活動への挑戦と飛躍、生活者・勤労者のための政治決戦への対応、仲間のチカラを結集し、創ろう元気な東京都協!」をスローガンに第20回定期大会を開催した。本大会は、2年に1度の中間年大会で、前大会で決定された、①25万労連の達成に向けた着実な活動の展開、②加盟組合活動の充実に向けた指導・支援および連携の強化、③雇用安定と総合生活改善の取り組み、④安心して暮らせる社会をめざす政治活動の推進等の運動方針を確認し、更なる活動の推進に向けた大会として位置づけられて開催された。大会には、代議員、傍聴者等約200人が参加した。
冒頭、主催者を代表して五月女議長は、①仲間づくり、②政治活動の推進、③加盟組合の充実、④労働安全衛生の取り組みの4点に触れ、①では「新規採用や未組織労働者の組織化は構成組織内では成果を上げているものの、加盟組織が一労組留まることに、掲げた目標に対する成果と現実を見つめ、率直な反省を行い、取り組みを補強しなければならない」と決意を述べ、②では来年に迫った選挙について「組織として組合員へのアプローチや説明が問われている。今後の政治活動の重要性をあらゆる機会を捉えて訴えていく」と、組織力を発揮した総力戦で臨むとした。③では「各種取り組みを着実に実践する」、④では「組合員の命と健康を守る労働組合の根幹となる重要な取り組みである。事故発生状況に対し、今一度強い危機感を持ち、労使一体となった事故を防いでいく取り組みを徹底する」と挨拶した。
続いて、喜井情報労連本部副委員長、岡田連合東京会長、立憲民主党から海江田衆議院議員、菅衆議院議員、山花衆議院議員、小川参議院議員、石橋参議院議員、自治体議員団等から来賓挨拶が行われた。
その後、小山田事務局長から第1号議案の新規加盟組合の承認・決定、第2号議案の2018年度活動方針及び第3号議案2018年度予算案が提案された。中間年の今大会では、五月女議長(NTT労組東京総支部)、小山田事務局長(NTT労組東京総支部)の改選はなく、議事はすべて拍手で承認され、五月女議長の団結ガンバローで16時30分に終了した。
(5)運輸労連東京都連合会第51回定期大会(亀戸事務所調べ)
全日本運輸産業労働組合東京都連合会(運輸労連東京)は、8月29日(水)10時より墨田区の曳舟文化センターにおいて、第51回定期大会を開催し、代議員等約300人の参加により2018年度運動方針等を決定した。スローガンは、「未来に向け、組織の強化・拡大、政策・制度の実現、労働条件の向上をめざし、魅力ある運輸産業を構築しよう」である。
冒頭、主催者挨拶に立った米田執行委員長は、6月に発生した大阪地震や7月に発生した西日本集中豪雨による災害からの復旧・復興について、継続した支援行動を行うと述べた。そして、「90年代の規制緩和以降、運賃料金の低下・人件費圧縮・管理費削減などにより労働条件が一層厳しくなっている。2017年度の脳・心臓疾患による労災支給件数では、道路貨物運送業が最多となっている。少子高齢化に向かう中、他産業との格差が大きい現状の労働条件では、ドライバーが不足し物流が止まるといった悪循環も想定される。産別労組として、業界全体の地位向上と労働環境改善の取組みを主要課題とし、推進していく。18春闘では、すべての加盟単組が『統一要求、一括提出、同時解決』を目指して取り組んだ結果、昨年を上回る平均2000円台の賃上げを確保するなど次年度に繋がる結果となった。19春闘への取り組みでは、新規ドライバー確保、他産業との労働条件格差是正に向けた春闘方針の構築が重要だ。ドライバーの長時間労働、賃金切り下げ等労働条件悪化の是正、安心して業務ができる道路環境整備や安心安全な輸送システム確立、特定最賃(トラック最賃)法制化などにも取り組み、業界全体の地位向上と労働環境改善の取り組みを推進していくことが重要」など、多岐に渡る課題を提起した。
続いて、来賓の難波運輸労連中央執行委員長、安藤東京都トラック協会専務理事、岡田連合東京会長などから挨拶があった。
議事に入り、2017年度一般経過報告などを経て、2018年度の活動方針・会計予算について提案がなされた。運動方針では、トラック運輸産業を取り巻く状況が依然として多くの不安材料を抱える中、行き過ぎた規制緩和の是正や運賃・料金適正化の問題、駐車取り締まり規制緩和に引き続き取り組むとともに、労働条件改善や組織の拡大強化に向けてさまざまな運動を行なっていくことが承認された。
「特定(産業別)最賃の法制度実現を求める決議」の採択、新規加入組合の紹介に続いて新役員選出があり、反町執行委員長(新聞輸送労組)、山本書記長(ヤマト運輸労組)が再任された。
新旧役員の挨拶の後、大会スローガンを採択し、団結ガンバローで15時55分に大会は終了した。
(6) ものづくり産業労働組合JAM第20回定期大会(労働相談情報センター調べ)
ものづくり産業労働組合JAMは、8月30日(木)から8月31日(金)にかけて、岐阜グランドホテルにおいて第20回定期大会を開催し、代議員、傍聴者ら約500人が参加した。
冒頭、主催者を代表して挨拶に立った安河内会長は、歴史的な人手不足や中小企業労組の粘り強い交渉の結果、昨年に引き続き中小労組が大手労組を上回った今次春闘の取り組み等に触れた上で、「中小労働運動を盛り上げるためにも、組織人員を毎年一万人ずつ増やしたい。加えて、来年の参議院選挙に際し、組織内候補当選のための協力をお願いしたい」と述べた。続いて、神津連合会長、髙倉金属労協議長、神田基幹労連中央執行委員長が来賓挨拶を行った。神津会長は、「連合としてもソコアゲ春闘を掲げている。中小労働運動のトップランナーをJAMが担っていることに敬意を表する」と挨拶した。その後、田中ひさや参議院議員選挙立候補予定者より、選挙に向けた決意表明がなされた。
報告事項では、2018年度一般活動報告、2018年度会計決算報告、同会計監査報告が行われ、挙手にて承認された。質疑討論では、「JAM大阪では今期、職場に同様の問題を抱える労組同士で共闘会議を開催した。情報共有において有効なため、この取り組みを全国に広げて頂きたい」(JAM大阪)との意見に対し、書記長会議等を通じて検討すると本部より回答があった。報告後、FWUBC(在日ビルマ市民労働組合)と、児童労働問題に取り組む認定NPO法人ACEの紹介・挨拶が行われた。挨拶の中でミンスイFWUBC会長は、「様々な問題を抱える外国人技能実習生制度を、JAMと協力して立て直したい」と述べた。
議案提案では、第1号議案「2019年度活動方針に関する件」、第2号議案「2019年度予算に関する件」、第3号議案「2018年春季生活闘争総括に関する件」、第4号議案「2019年JAM政策実現活動に関する件」、第5号議案「2018年労働協約取り組み方針、及び年末一時金の取り組み方針に関する件」等が提案された。議案は全て、質疑応答を経て拍手または挙手にて原案通り可決した。質疑応答ではまず、「JAM定期大会の開催日程について、非専従者や女性の参加率を上げるためにも、休日を含めて頂きたい」(JAM東京千葉、大阪、四国)との意見に対し、検討する旨本部から回答があった。また、政策実現活動については、「なぜ組織内候補は立憲民主党でなく、国民民主党から出馬するのか」(JAM甲信)との質問に対し、「JAMは中小企業労組の集まりであり、この体温が立憲民主党より国民民主党の方が近いと考える。加えて、国民民主党の掲げる『対決より解決』、『原発ゼロ』の方針がJAMと同じである。しかし最も大切なのは政党ではなく、田中ひさや個人を国会に送ることである」との回答があった。なお、本年は中間年のため役員改選は無かったが、初日に提案された役員補充は信任された。
その後、特別決議、スローガン及び大会宣言が拍手で確認・採択された。最後に、安河内会長によるガンバロー三唱で、31日12時に大会は終了した。
■■4 紛争議・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・↑↑TOPへ戻る↑↑
(1) ユナイテッドにおける解雇をめぐる紛争議(労働相談情報センター調べ)
団体名 全労協全国一般・全労働者組合 FAユナイテッド分会 (組合員 17人)
所在地 千代田区飯田橋2-13-9 不二ビル2F
加入上部団体 全労協全国一般・全労働者組合
支援団体 全労協、全労協全国一般東京労組
会社名 ユナイテッド航空 (従業員87,500人)
所在地 アメリカ・イリノイ州 シカゴ市
事業内容 航空輸送
<証人尋問=会社側>
コンチネンタルミクロネシア航空(以下CMI)に勤務していた全国一般・全労働者組合FAユナイテッド分会の組合員12人が、ユナイテッド航空(以下UA)との合併を機に解雇されたことに対して、ユナイテッド航空に雇用継続を求める裁判の証人尋問が、8月2日(木)10時から東京地裁527法廷で行われた。参加者は延べ約80人である。
会社側証人として出廷した船生幸子氏(CMI成田ベース客室業務部人事労務担当課長・当時)に対して、被告会社側、原告組合側双方と裁判所から尋問が行われた。
被告側代理人からは、グアムベースと成田ベースが本部・支部の関係にあることを明らかにしたうえで、解雇に至る要因として、成田ベースが高コスト体質であること、日本人乗客数減少による減便で業務量が減少したことについて尋ねた。船生証人は、成田ベーススタッフの宿泊費に1泊144ドル、出張手当として時間当たり2.5ドル、年間16万ドルかかり、成田ベース閉鎖で年間70万ドルの削減になると証言した。しかし、内訳については企業秘密のため示せないとも証言した。また、日本人乗客数減少による減便で拘束時間が月70~90時間から月平均13時間に落ち込んだが、基本給与は80時間分、年間固定ボーナスが7か月分保証されていたと証言した。そして、アメリカ側労働組合とUAが締結した統一労働協約は本件解雇とは関係なく、解雇回避に向けた地上職への配転について全員が可能だったとも証言した。
原告側代理人からは、日本人乗客の減少について、証人の陳述書にある5.3%の減少が廃止路線の乗客数ではないかと指摘し、成田グアム線に大型機が導入されていることから、主張とは矛盾すると指摘した。船生証人は、乗客数は減少傾向だったが日本人乗客率は分からないとし、大型機導入については経営判断としながらも減少増加を繰り返してきたと証言した。また、グアムベースの合理化に着手しなかった理由については分からないとし、グアムベースでは雇用を保証する旨の労働協約が存在していた事について組合団交の場で説明していなかったと証言した。また、合併後に外国人を雇用しないとした統一労働協約について、その協議内容の詳細について知らなかったと証言した。
裁判所からは、高コスト体質の主張に対して「コスト削減に向けた労働条件の検討やグアムベースで働く場合に経費負担があることを説明したか」との質問があり、船生証人はしていないと証言した。また、早期退職制度や地上職への配転ができない場合に解雇に至ることを認識したのは上司の発言を聞いた2月4日時点であり、日本在住のグアムベース勤務者について滞在費用は出していないと証言した。
<証人尋問=組合側>
コンチネンタルミクロネシア航空(以下CMI)に勤務していた全国一般・全労働者組合FAユナイテッド分会の組合員12人が、ユナイテッド航空(以下UA)との合併を機に解雇されたことに対して、ユナイテッド航空に雇用継続を求める裁判の証人尋問が、8月9日(木)13時15分から東京地裁527法廷で行われた。参加者は延べ約80人である。
証人尋問には、組合側証人として、三田義樹氏(全国一般・全労働者組合)、野沢智子氏(原告)、千田正信氏(原告)の3人が出廷し、原告組合側と被告会社側双方と裁判所から尋問が行われた。
三田氏は、原告代理人の質問に対して、団交において成田ベースの高コスト体質について会社側から説明が無く、ビザが無いとグアムベースで働けないことも説明が無かったと証言した。被告代理人からは、労働協約にある外国籍条項は乗務路線を限定したもので排除に当たらないと読めるのではとしたが否定した。また、分会結成の理由は合理化提案であり、高コスト体質との説明が無かったかとの質問も否定した。そして、地上職であっても組合に加入できるかとの問いには可能であると回答した。裁判官から、解雇の理由に挙げている組合嫌悪の原因について尋ねられた三田証人は、解雇が難しい日本人労働者とそれを組織する日本の労働組合を嫌ったからではないかと証言した。
野沢氏は、原告代理人の質問に対して、労働協約の外国人条項に関する会社側証人の証言は正確ではなく、条項にあるリストはアメリカ側組合AFA組合員リストであり、外国籍でAFA非組合員を乗務から排除したものと証言した。また、高コスト体質との指摘に対して、成田ベース乗務員が年収600万円に対してグアムベース乗務員は年収1,000万円であると証言し、否定した。被告代理人からは、賃金を乗務員と同額にするとの提案もあったのに、なぜ地上職ではだめなのかと尋ねたが、転居を伴うため応じられないと証言した。また、グアムベース勤務の日本人乗務員がグリーンカードを持っていたと証言したことに対して被告側代理人は、「以前代理人を務めていた吉田弁護士が『グアムベース勤務の条件がグリーンカード所有なら仕方がない』と発言している」と述べた。
千田氏は、原告代理人の質問に対して、グアムベースでは外国籍であっても一時帰休や解雇から守られる労使協定があったことを知らされておらず、成田ベースがリザーブ率が高いとの被告の主張は本来の解雇理由を隠すためだと証言した。また、UA統合後にグアムベースは時給が10ドル引き上げられたが、これによる経費増は195万ドルになるとし、70万ドルかかることを理由に成田ベースを閉鎖するのはおかしいと主張した。被告代理人からは、グアムベース勤務の日本人乗務員がアメリカ国籍またはグリーンカードを保持しているのに対して、千田証人が両方とも持っていないことを確認した。裁判官からUA統合前の労働協約の外国人条項について尋ねられたが、千田証人は知らなかったと証言した。
尋問終了後、原告から出されていた承認申請について合議が行われたが、申請を却下し、次回11月8日までに最終準備書面を提出するよう求め、17時に終了した。なお、原告側では次回期日前に銀座デモを実施する予定である。
<争議の概要>
全労協全国一般・全労働者組合FAユナイテッド分会は、旧コンチネンタルミクロネシア航空(現ユナイテッド航空)成田ベースに所属する日本人客室乗務員の組合で、1998年3月に正社員から契約社員への身分変更を提示されたのを機に結成された。身分変更については、2か月後に組合員を正社員のまま継続することで決着した。2001年9月のアメリカ9・11テロ事件の発生を受けて5人の人員削減が提案されたが、組合側がジョブシェアを提案し、人員削減は撤回されている。
2010年、コンチネンタル航空とコンチネンタルミクロネシア航空とユナイテッド航空の3社合併が発表され、労働条件の統一交渉が進められた結果、2013年4月にコンチネンタル航空とユナイテッド航空が正式合併した。組合は合併後の雇用や労働条件についてコンチネンタルミクロネシア航空と団体交渉を行ったが、不誠実団交であるとして都労委に不当労働行為救済を申し立てた。
2016年2月に会社側が成田ベース閉鎖と地上職への異動または早期退職を組合側に通告、3月31日に成田ベースが閉鎖された。同年4月に組合側は雇用確認を求めて東京地裁に提訴したが、会社側は5月31日付での解雇を通告し、5月31日に解雇された。組合では羽田空港や成田空港で断続的に就労要求・抗議行動を展開しながら、同年11月にユナイテッド航空に対しても雇用継続を求めて東京地裁に提訴した。
2016年02月04日 会社側が成田ベース閉鎖と地上職への異動または早期退職を組合側に通告
2016年04月25日 雇用確認を求めて東京地裁に提訴(コンチネンタルミクロネシア航空)
2016年05月31日 ユナイテッド航空が当該12人を解雇
2016年11月25日 雇用継続を求め東京地裁に提訴(ユナイテッド航空)
2017年04月07日 国土交通省要請行動
2017年05月29日 ユナイテッド航空は解雇を撤回しろ!解雇から1年、5・29決起集会
2017年07月20日 アメリカ大使館要請行動
2017年07月28日 アメリカ商工会議所要請行動
2017年10月12日 10.12銀座デモ
2018年06月01日 6・1ユナイテッド闘争総決起集会
(2) 日本郵便株式会社における労働契約法20条をめぐる紛争議(池袋事務所調べ)
○団 体 名: 郵政産業労働者ユニオン (組合員 人)
・所 在 地 豊島区上池袋2-34-2
・加入上部団体 全国労働組合総連合、全国労働組合連絡協議会
・支 援 団 体 労働契約法20条裁判をたたかう郵政原告団を支える会
○会 社 名: 日本郵便株式会社 (従業員約195,000人)
・所 在 地 千代田区霞が関1-3-2
・事 業 内 容 郵便業
<集会の概要>
8月2日(木)14時、東京高裁822号法廷において、日本郵便株式会社における「労働契約法20条裁判」の控訴審について、当初結審の予定であったが、会社側の代理人から上申書が提出され、裁判官の合議の結果、再度結審を延期し、9月25日(木)を結審日とすることとした。
その後、15時から弁護士会館の会議室において、報告集会が開催された。
冒頭、日巻委員長は「今日は結審ということで臨んできたが、また、延期となった。この間、弁護団の先生方には、今日に至るまで本当にご尽力いただいたことに感謝する。また、いつも傍聴席を満員にしていただいた支援者の方々に感謝する。4月19日に本社前で18春闘の抗議集会を行ったが、この裁判の勝利で会社の攻撃を跳ね返していきたい。西日本裁判も結審の日は決まったが、この裁判にも勝って、非正規労働者の待遇改善の実現を目指して闘っていきたいと思うので、引き続きの支援をお願いしたい」と述べた。
続いて、弁護団の棗弁護士及び水口弁護士から発言があった。水口弁護士は「会社は、前々回の口頭弁論期日から、『労働契約法20条に違反したということと、それが不法行為となって損害賠償を支払えということとは別問題であり、違法だけれども故意・過失がなければ不法行為は成立しない』と主張していた。それに対して、こちらは、組合がずっと要求していたのに、是正していないのだから、過失があるのは当たり前だという程度のことを主張していた。これで十分なのだが、長澤運輸最高裁判決で、『会社が本件組合との団体交渉において、嘱託乗務員の改善を求められたという経緯に鑑みても、会社が嘱託乗務員に精勤手当を支給しないという違法な取扱いをしたことについては、過失があったというべきである』といっている。つまり、『改善要求の労使交渉をやっても会社が応じなかった』こういう経過があれば過失があると最高裁はいっている。そこで、今回の書面でも、最高裁の判決を引用して、過失は明らかであると主張した。どういう経過で労使交渉になったのか、組合の要求書や会社の回答書などの書証は提出済みなので、客観的に一目瞭然であり、会社はこういう経過を否定できず、会社が是正しなかったことも明らかである。この書面に対して、会社が反論してきたとしても、事実があったかなかったかの問題ではなく、故意・過失があったかどうかという評価の問題であるから、繰り返しになるだけであり、本日、結審してほしいと裁判官に主張した。しかし、裁判官としては、最高裁に行くまでの間に、十分な主張・立証を踏まえた上で、最高裁の判断を求めたいという慎重な態度を取ったのだと思う。法律的にいえば、その裁判所の判断がけしからんというわけではない。ただし、どうせ同じことの繰り返しにしかならないにもかかわらず、会社は、『もう1期日入れて、故意・過失について反論したい』さらに、『賞与の金額が異なる』などと主張しているが、これは、引き延ばしを図っていると思われる。ただ、次回は何が何でも結審すると思う。そして、年内には判決が出るのではないか。東日本裁判でいえば、損害賠償請求の全額、特に著しい格差のある賞与について、勝ち切りたいと考えている」と述べた。
続いて東京東部労組及びJAL争議団から連帯の挨拶、原告2名の挨拶があり、最後に、兼子副委員長から、今後の行動日程の提起があり、15時30分に終了した。
<争議の概要>
日本郵便株式会社は、2003年郵便事業庁から郵政公社に移行した後、2006年にかけて「アクションプランⅠ・Ⅱ」を策定、合理化計画の中で正社員の定数削減と労働力不足対応のため非正規雇用を拡大した。2007年日本郵便株式会社を設立後、更に基幹的な有期雇用の拡大を促進した。一方、2012年7月1日、郵政産業労働組合と郵政労働者ユニオンは統一大会を開催し「郵政産業労働者ユニオン」を結成した。同年10月には、労働契約法改正により有期雇用を理由とした不合理な差別の禁止が法律化された。
以後、郵政産業ユニオンは、会社側に対して有期雇用社員の均等待遇実現を求めて要求書を提出するなどしていたが、2014年5月8日、3名の有期雇用社員組合員が東京地裁に提訴、6月30日には9名の組合員が大阪地裁に提訴した。
2017年9月14日、東京地裁は会社側に対し、年末年始手当の8割分、住居手当の6割分の支給を命じ、夏季・冬季休暇及び病気休暇について、正社員のみ有給で保障されているのは不合理な格差であると認める判決を出した。
2018年2月21日、大阪地裁は会社側に対し、年末年始手当、住居手当及び扶養手当の全額の支給を命じる判決を出したが、夏季・冬季休暇及び病気休暇については、判断を示さなかった。
両裁判とも、現在、控訴審で係争中である。
〈経過〉
2012年10月 労働契約法改正 改正20条「有期雇用を理由とした不合理な労働条件の禁止」改正を受け、郵政産業ユニオンは「労働契約法改正に伴う要求書」を提出
2013年7月 郵政産業ユニオン「改正労働契約法20条に対する要求書」を提出
2014年5月 8日 期間雇用社員3名が東京地裁に提訴(東日本裁判)
6月30日 大阪、兵庫、広島の期間雇用社員9名が同内容で大阪地裁に提訴
(西日本裁判)
11月30日 「郵政20条裁判を支える会」結成総会
2017年9月14日 東日本裁判東京地裁判決
2018年2月21日 西日本裁判大阪地裁判決
9月25日 東日本裁判控訴審結審(予定)
10月19日 西日本裁判控訴審結審(予定)
(3) DNPファイン解雇・偽装請負をめぐる紛争議(労働相談情報センター調べ)
団体名 DNPファイン解雇・偽装請負争議を勝たせる会 (組合員 17人)
所在地 文京区春日2-24-11 NRK春日ビル5F 全印総連気付
加入上部団体
支援団体 全国印刷出版産業労働組合連合会(全印総連)、日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)等
会社名 ㈱DNPファインオプトロニクス(旧㈱DNPファインエレクトロニクス) (従業員87,500人)
所在地 東京都新宿区市谷加賀町1-1-1
事業内容 半導体関連製品の生産
<争議解決報告集会の概況>
全印総連(全国印刷出版産業労働組合連合会)とDNPファイン解雇・偽装請負争議を勝たせる会(以下、「勝たせる会」)は、8月20日(月)18時30分から文京区民センターにおいて、DNPファイン解雇・偽装請負争議解決報告集会と勝たせる会解散総会を開催し、組合員や支援者ら220人が参加した。本集会は、DNP子会社における偽装請負と解雇に端を発した争議が6月6日都労委で和解したのを受けて、開催されたものである。
主催者挨拶に立った小林勝たせる会代表幹事(MIC議長・新聞労連前委員長)は、「世界有数の会社を相手に9年間闘うのは並大抵のことではない。こんな事が許されていいのかという思いがあっただろう。敗訴しても都労委に申し立て、解決金と謝罪を勝ち取った。会社側にも疑問があったのだろう。企業に二度と偽装請負してはだめだと学習させた意義のある闘いだった」と述べ、是村代表幹事(前全印総連委員長)は、「9年有余と個人争議としてはまれな長期争議になった。勝ったとは言えないが、当該は『ドローだが勝ち点1がある』と言っている。DNPファインには謝罪させ、大日本印刷も当事者としてサインさせたのは大きな成果だ」と述べた。
続いて、弁護団と大塚東京都労働委員会労働者委員から挨拶があり、大塚委員は、「労働委員会も解決するとは思っていなかったぐらい難しい内容で、充実した解決内容だった。当該は、この経験を生かして労働者のために奮闘して欲しい」とエールを送った。
この後、東海林勝たせる会元代表幹事(MIC元議長)の音頭で乾杯が行われた。
連帯挨拶では、中田全労連常任幹事、屋代東京地評事務局次長、岩崎MIC事務局長が挨拶に立ち、参加者からの激励では、酒井出版労連委員長、岩永文京区労協事務局長、新崎MIC元議長(勝たせる会元代表幹事)、三木JMITU委員長、斎田民放労連書記長、金丸映演労連委員長、中村江東区労連事務局次長、永野全印総連大阪地連委員長が当該を激励した。また、争議団紹介が行われた。
当該からの挨拶とお礼では、「長期間にわたるご支援があり争議を解決できた。問題の本質は大日本印刷本社にある。裁判は残念な結果になり、行政の判断と司法の判断が違うのはおかしいと感じた。本社包囲デモに最大600人が参加したことで解決に一役買ったと思う。労組に入ってよかったと思うのは一緒に闘う仲間が増えたことだ。すごい財産だ。9年間支えていただきお礼申し上げたい」との挨拶が行われた。
最後に、菅沼勝たせる会事務局長(全印総連委員長)から勝たせる会解散宣言・閉会挨拶が行われ、「当該はドローと言うが、実質勝ったと思っており、使命を果たしたと考えている」と述べ、20時30分集会は終了した。
<争議の概要>
大日本印刷の子会社であるDNPファインエレクトロニクス(以下「DNPファイン」)から電子部品の製造委託を請け負った日本ユニ・デバイス社員として2005年2月から大日本印刷久喜工場で働いていたH氏は、業績悪化を理由に2009年1月に日本ユニ・デバイス社を解雇された。ところが、実際には指揮命令はDNPファイン社が行うなど偽装請負の状態にあり、しかもDNPファイン社と日本ユニ・デバイス社の間にDNPミクロテクニカが介在し二重の偽装請負状態にあったことがわかった。H氏からの申告を受けて、埼玉労働局は2009年2月に偽装請負行為を認め、関係3社に対する是正指導を行った。
H氏は、全印総連東京地連・情報印刷関連合同支部へ加盟し、2009年7月にDNPファイン社に対して地位確認と未払い賃金1,300万円の支払いを求めて、さいたま地裁に提訴した。2010年10月には、「DNPファイン解雇・偽装請負争議を勝たせる会」が結成され、親会社である大日本印刷の責任を問う行動を展開している。
2015年3月25日、さいたま地裁は、DNPファインに対する労基法6条、職安法44条違反を認めたものの、原告の地位確認、損害賠償の請求はいずれも棄却した。原告は東京高裁へ控訴したが、2015年11月11日に判決があり、原告の請求はいずれも棄却された。原告は本判決を受け、最高裁判所へ上告を行ったが、最高裁は2016年7月20日に上告を棄却した。
また、H氏が所属する全印総連は、裁判と並行してDNPファイン及び大日本印刷に対し団体交渉の申し入れを行い続けたが応じられなかったとして、6月30日に東京都労働委員会へ不当労働行為救済申立てを行った。
(4) 関東第一高等学校における解雇をめぐる紛争議 (証人尋問・報告集会) (亀戸事務所調べ)
団 体 名 東京私立学校教職員組合連合(東京私教連)
所在地 千代田区二番町12-1 全国教育文化会館5階
加入上部団体 全国私立学校教職員組合連合
支援団体 江戸川区労連、職場に戻す会
会社名 学校法人守屋育学園 関東第一高等学校
所在地 江戸川区松島2-10-11
事業内容 学校教育
<集会の概要>
関東第一高等学校(関東一高)における、社会科専任教諭でありバレーボール部の顧問に対する、2017年3月31日付解雇に対し、解雇撤回を求めた裁判の証人尋問が、8月24日(金)10時から、及び29日(水)13時30分から、東京地裁第527号法廷で行われた。
2日間で原告側、被告側9人に対する証人尋問が行われ、双方の主張に基づき主尋問、反対尋問、補充質問がなされた。
両日とも、終了後弁護団による総括、原告からの決意表明が行われた。
弁護団からは、原告の奮闘をたたえるとともに、裁判所からの質問について「非常に時間も使い、内容も厳しいものだった。楽観視はできないが、最後までがんばっていく」と報告があった。
当該原告は、「しんどかった」と述べた上で、「この1年半、一生懸命やってきた。多くの人に支えられ、主張もほぼ出し切った。最後まで応援をお願いしたい」と決意を述べた。
高林東京私教連中央執行副委員長から、9月21日(金)に開催予定の「職場に戻す会総会」について案内があり、17時45分に報告会は終了した。
次回は10月31日(水)13時10分から弁論が予定されている。
<争議の概要>
関東第一高等学校(関東一高)は、大正14年創立の江戸川区に所在する高等学校で、進学コースの外スポーツコースを設置する普通科の共学校である。当該教員は、2016年4月、社会科専任教諭として採用され、バレーボール部の顧問となった。
前任者の急な退職、2016年度からのスポーツコース廃止に伴い、指導が困難になる中、部員の保護者から、部活動の運営や指導に対して、学園側に意見が寄せられた。学園は部活動の指導方法を巡り、当該教員に対し、10月以降は「一切の指導をしてはならない」と命じた。
11月に「主に部の指導方法に関する指示に従わなかった」として、口頭で解雇通告を受けた当該教員は、東京私立学校教職員組合に個人加盟し団体交渉を3回行った。しかし、学園側は主張を変えず、2017年2月に解雇予告通知書を発行し、同年3月31日付で当該教員を解雇した。
学園側があげた解雇理由は不当であるとして、当該教員は2017年4月11日、職場復帰を求めて東京地裁に提訴した。
その後、江戸川区労連にも加盟。2度の団体交渉を行ったが解雇撤回に至っていない。
■■5 主要労働統計※( )内は前月・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・↑↑TOPへ戻る↑↑
◆◆労働力状態<全国・7月>
【全 国】資料出所:総務省統計局「労働力調査報告」
http://www.stat.go.jp/data/roudou/index.htm
◎労働力人口 6,832万人 ( 6,855万人 )
◎就業者数 6,660万人 ( 6,687万人 ) 前年同月比97万人の増加。
◎完全失業者数 172万人 ( 168万人 ) 前年同月比19万人の減少。
◎完全失業率【季節調整値】 2.5% ( 2.4% )
◆◆労働市場<東京都・7月>
資料出所:東京労働局「職業安定業務統計」
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/jirei_toukei/shokugyou_shoukai/_122954.html
◎月間有効求職者数 120,218人 ( 122,412人 )
◎月間有効求人数 225,539人 ( 223,833人 )
◎有効求人倍率【季節調整値】 2.16倍 ( 2.16倍 ) <全国:1.63倍(1.62倍)>
*「求職・求人者数」は新規学卒及びパートを除く。「求人倍率」は新規学卒除く、パート含む。
◆◆一般労働者月間賃金・労働時間<東京都・6月・規模5人以上>
資料出所:東京都総務局「毎月勤労統計調査」
http://www.toukei.metro.tokyo.jp/maikin/2018/mk1806fgaiy.pdf
◎現金給与総額 615,952円 ( 364,465円 )
◎定期給与 327,880円 ( 326,766円 )
◎特別給与 288,072円 ( 37,699円 )
◎総実労働時間数 147.1時間 ( 140.9時間 )
◎所定内労働時間数 135.9時間 ( 129.9時間 )
◎所定外労働時間数 11.2時間 ( 11.0時間 )
◆◆倒産状況<東京都・8月> 資料出所:東京商工リサーチ
http://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.jp/toukei/corp201808.pdf
◎件数 124件 ( 139件 ) <全国: 694件(702件)>
◎負債総額 11,117百万円 ( 23,163百万円 ) <全国:121,268百万円(112,711百万円)>
倒産件数は、124件(前年同月比6.9%増)と、10か月ぶりに前年同月を上回った。負債総額は、111億1,700万円(前年同月比62.4%減)となった。負債額10億円以上の倒産は1件(前年同月6件)となった。業種別件数ではサービス業(24件)、卸売業(18件)、建設業(17件)、の順となった。原因別では、不況型倒産(販売不振・既往のしわ寄せ・売掛金等回収難)は106件となり、倒産件数における構成比は85.5%となった。倒産企業総従業員数は434人となり、前年同月の342人と比べ26.9%増となった。
■■6 労働組合等の行動日程(8月) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・↑↑TOPへ戻る↑↑
日(曜日) 行動日程
2 木 FAユナイテッド解雇裁判証人尋問(10:00~ 東京地裁527法廷)
9 木 政労連第96回定期大会(10:00~ 連合会館)
FAユナイテッド解雇裁判証人尋問(10:00~ 東京地裁527法廷)
18 土 日弁連シンポジウム「脱貧困強制社会」(13:30~ 弁護士会館)
20 月 全印総連DNPファイン争議解決報告集会(18:30~ 文京区民センター)
22 水 首都圏青年ユニオン損害賠償訴訟(10:00~ 東京地裁527法廷)
23 木 私学教員ユニオンシンポジウム「一緒に変えよう! 教員のブラック労働」(18:30~渋谷フォーラム8)
24 金 関東一高解雇撤回裁判・証人尋問(終日 東京地裁)
新聞労連東京地連第92回定期総会(14:30~全水道会館)
29 水 運輸労連東京第51回定期大会(10:00~曳舟文化センター)
関東一高解雇撤回裁判・証人尋問(13:30~ 東京地裁)
情報労連東京都協議会第20回定期大会(14:00~ ホテルラングウッド)
30 木 JAM第20回定期大会(~31日、岐阜グランドホテル)
31 金 日本ヒューレット・パッカード解雇撤回裁判・証人尋問(10:00~ 東京地裁)
お問い合わせ先東京都産業労働局 雇用就業部 |