東京都労働相談情報センター

心の健康相談事例


1.自分の適職が何かについて悩む

相談内容
精神科受診歴があり、2年前から心療内科に通院している。8ヶ月前に職業適性検査を受けるが、アドバイスに反した営業事務の正社員として勤めはじめ、その後2ヶ月で辞めて、センターに来所した。
専門相談員と面談する中で、転々とした職場でのことを振り返り、技術専門学校で学んだことを生かした職人的仕事をしたいと確認した。技術職と接客を兼ねた仕事の面接に受かるが、これまでの失敗もありかなり不安になる。絵画療法で、自分のやりたいことをやる子供の力と、それをゆっくり温かく見守る老人の力などがイメージされ、内的な自分の力を見出す。病を抱えつつも、適性検査の結果も取り入れて、適職に落ち着いた。

2.職場で自己表現できない

相談内容
3年勤めた会社の人事異動で、それまでのアシスタントの立場から、自ら立案したり人に指示したりする内容の仕事に変わったことを契機に、仕事中に突然震えたり、吐き気がするようになる。やがて通勤電車も途中下車するようになり、外で食事ができなくなる。心療内科にかかっていたが、仕事を辞めないとよくならないのではないかと1週間休職してセンターに来所した。
専門相談員と面談を行い、相談者の夢などから、相談者の抱えている不安を共有し、両親に対する不満にも傾聴しているうちに、職場で昼食を食べられるようになり、顔色もよくなり表情も柔らかくなってきた。やがて、仕事を続けていく意欲がわいてきて、職場で初めて大きな声で怒鳴ったのをきっかけに、緊張感が和らぎ以前より自由に振舞えるようになった。自分なりに工夫して仕事をするようになり、趣味のスポーツも始める。何でも人に決めて欲しかった相談者が、専門相談員との面談を通して自己表現をし始め、自立への道を歩み出した。