セミナー・労働教育
「中小企業のための就業規則の見直しセミナー」質疑応答
オンラインセミナーの内容について受講者よりいただいたご質問に対して、セミナー講師よりご回答いただきました。(令和8年11月1日まで掲載)
回答者(講師)
特定社会保険労務士 永田 幸江 氏
【質問】
外国人と労働契約を締結する際の使用言語等についての質問:理解を得る為に労働条件通知書や就業規則等は当該労働者の理解できる言語でも準備すべきだと存じます。法令等には特に規定はないと思われますが、如何でしょう。又、労契法の第4条(第5条違反の回避)等も踏まえ、民事トラブル回避の為、中小規模事業者として最低限どの程度(安全衛生を含む就業規則等)の内容を言語対応すべきかご教示ください。
【回答】
法令との関係
ご認識のとおり、労働条件通知書や就業規則を外国語で作成・交付することを直接義務付ける法令はありません。ただし、厚労省の指針では、外国人労働者が理解できる方法で主要な労働条件を伝えるよう努めることが求められています。なお、特定技能や技能実習(育成就労)の労働者については、母国語での説明・書面交付が法令上義務化されている点に注意が必要です。
民事トラブル回避の観点
日本語のみの書面を形式的に交付しても法令違反にはなりませんが、労働契約法には「労働者の理解を深めるようにする」という趣旨の規定があります(労契法第4条)。本人が内容を理解していなかった場合、後日、労働条件の合意の有効性や就業規則の拘束力が争われた際に不利な事情として扱われるおそれがあります。つまり、義務違反というより、紛争になった際の立証・防御力の問題とご理解ください。
中小規模事業者としての最低限の対応
1.労働条件通知書:厚労省が無料配布しているモデル通知書(13言語対応)を活用し、本人の母語又は英語版を交付する
2.安全衛生関係:労災リスクに直結するため、口頭説明だけでなく、図解・やさしい日本語等で書面化しておく
3.懲戒・解雇事由など不利益条項:就業規則全文の翻訳までは不要と考えますが、要点を母語又はやさしい日本語で説明したメモを作成し、本人の署名を取得しておく
まずは、上記を中心に整備されることをお薦めいたします。
なお、必要に応じて、専門家等の活用もご検討ください。
【お問い合わせ先】
東京都労働相談情報センター 事業普及課 普及担当
電話:03-5211-2209
(9時~17時(土・日・祝日を除く))
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