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非正規労働者雇用環境整備支援事業

企業名

写真:株式会社 文伸

株式会社 文伸 

所在地 : 三鷹市上連雀1-12-17
業 種 : 印刷業
資本金 : 1,000万円
従業員数 : 41名 (うちパート14名)
企業URL : http://www.bun-shin.co.jp/
                           (2008年6月現在)

 

取組内容

パート社員の柔軟な働き方を実現

勤務時間や勤務日数など、パート社員のライフスタイルにあわせた、きめ細やかな労働時間管理をしており、柔軟な就労形態を実現しています。

正社員、パート社員の区別なく教育訓練を実施

技能向上、人材育成を重視し、正社員、パート社員の区別なく、意欲のある従業員には社外教育機関での研修や各種セミナーなどに参加させ、能力開発を推奨しています。

賞与や退職金制度の整備
賞与の支給や退職金制度など、正社員との均衡を考慮した処遇をしています。 教育訓練に力を入れていることで、高い技術力を維持するなど人材開発の効果が出ています。 (2007年12月20日モデル企業指定

賞与や退職金制度の整備

賞与の支給や退職金制度など、正社員との均衡を考慮した処遇をしています。 教育訓練に力を入れていることで、高い技術力を維持するなど人材開発の効果が出ています。

(2007年12月20日モデル企業指定)

 

トップインタビュー

写真:株式会社文伸社長

雇用環境の改善によりパート社員を戦力化地域の
印刷会社として優位性を獲得

  株式会社文伸
  代表取締役  川井 捷一郎 さん

 

 

 

 

 

 

"人を大切にする"伝統が雇用環境の整備にも生きている

「高校3年生のときに肺を病み入院生活を余儀なくされました。快復後、手に職を、と思って始めたのが謄写印刷です」

社会の門出で大きなハンディキャップを背負った川井捷一郎社長だが、1961年に株式会社文伸を創業。以来、街の印刷屋としてタイプ印刷、タイプオフセット印刷、写真植字オフセット印刷、DTP印刷と印刷方式のめまぐるしい変遷に対応し、今日では三鷹市になくてはならない印刷会社として地域の情報発信に貢献している。

現在、従業員は正社員24名、パート社員14名、契約社員3名の計41名。40年以上かけて着実に会社の規模を大きくしてきた。ただ、雇用環境整備への取り組みについていえば、その対応は非常に早かった。はじまりは創業3年目、従業員1名を雇用したときである。

「自分が大病しているだけに、従業員の健康が気になって仕方がない。社会保険事務所へ健康保険に加入したいと相談に行きました。当時は、従業員5人以下なら健康保険に加入する必要はないといわれましたが、強引に健康保険証を作ってもらいました。そのときの気持ちを忘れることなく、その後も人事制度や賃金制度、教育訓練など、パート社員の雇用環境の整備と改善を継続的に進めてきたのです」


パート社員は生活スタイルに応じ可能なかぎり就業日・時刻を選択

同社のパート社員に対する雇用環境整備でまず目を引くのが、労働時間への柔軟な対応だ。生活スタイルに合わせて、週3日~5日の勤務を選択でき、始業・終業時刻も自由だ。

「お子さんが学校へ行っている間だけ働きたい、あるいは趣味を続けたいという希望に応えるため、生活スタイルに応じて可能なかぎり就業日・就業時間を選択できるようにしています。パート社員を希望する人のなかには、能力・意欲が高く、タッチタイピングなどのスキルを持っている方も多い。彼女たちを戦力として活用するために、この人事制度は有効だと思っています。まさに両者の利害が一致しているのです」

もちろん仕事が面白くてたまらない、あるいは収入を増やすためにもっと長時間働きたい、というパート社員が出てくるのもまたありうる話だ。そんなときのために、就業規則に正社員への転換制度を定めており、これまで2名が転換しているという。

さらに、パート社員のモチベーションアップを図るため、昇給制度や賞与、退職金制度も導入している。

例えば昇給は、年1回、正社員を含むグループごとに上司が評価して実施。賞与については年2回平均0.8カ月分支給(正社員は1.5カ月分支給)。好決算時には特別賞与もある。また退職金制度は、勤続1年以上のパート社員で一定時間以上勤務した人は正社員と同様に中小企業退職金共済に加入している。

「仕事において、パート社員と正社員を区別することはほとんどありません。雇用条件にも差をつけたくないというのが私の考えで、異なるのは賞与だけ。賞与が異なるのは、パート社員は途中で仕事を切り上げるなど、正社員とは責任の範囲が違うからです」

研修においても 「技術教育投資は必ず返ってくる」 という川井社長の信念のもと、正社員・パート社員の区別なく行われている。休日に開催される各種セミナー・展示会などの視察も推奨し、交通費と弁当代を支給しているという。


コストだけでなく仕事のクオリティが競争力に直結する時代

2007年度、文伸は東京都非正規労働者雇用環境整備支援事業のモデル企業として認定された。まさに"手厚い"と表現していい雇用環境の整備が評価された結果だ。

そしてそこには、パート社員の働きが企業を支え、そしてさらなる成長に結びつくことを実証してきた川井社長の経営姿勢がある。

「三多摩地区でも印刷業界は競争が厳しく、ライバル企業が次々と撤退しています。そんななか仕事を続けられるのは、仕事の質でお客様と付き合い、何よりも地域に根を張っていこうという姿勢が認められているからだと思います。営業をかけなくてもお客様が仕事を持ってきてくれます。また入札においても、コストだけでなくデザインのよさや読みやすさが重視されるようになりました」

従業員一人ひとりの仕事のクオリティが競争力に直結する時代──。そうしたなかで川井社長の期待に応えるべく、パート社員も腕を磨いていく。地域にある大学・研究所の先生方の著書を手がけ、高い評価を得ているというのも、成果のひとつだ。

また、 「手間のかかる仕事を掘り起こし、つねにチャレンジすることが大切。読ませる紙メディアをつくるため、カメラマンやデザイナー、コピーライターを使って原稿を作成するところまで、われわれの仕事の幅を広げていかなければならない」 という営業戦略も、正社員、パートの区別なく全員が共有している。そのなかでも、コンピュータを駆使して文字・イラスト・写真を組む作業をしているパート社員の役割は大きい。

「お宅は人の出入りが少ない」と三鷹市の商工会からも、その高い社員定着率を評価されている文伸では、毎年、全従業員を集めて決算報告会を実施している。

「利益が出たらホテルでパーティー、赤字だったら工場内で缶ビールという形ですが、これまで缶ビールだったのは一回だけ。これからも、ホテルでのパーティを続けたいですね」


従業員の声

写真:株式会社文伸社員

趣味の旅行を続けたいのでパート社員として頑張る

制作課主任
千頭 保子 さん(50代)

     

 

 

 

 

主人の給料は使わずに趣味の旅行を続けたいと思い、18年前、パート社員になりました。当初は子どもが小さかったので週2~3回、午前中だけ勤務し、子供の成長に合わせて勤務時間を増やしてきました。

子どもが病気の時などパート社員同士で調整して休みを取ることができ、本当に助かったのを覚えています。また、新しい技術をマスターするために、費用は会社持ちでいろんな講習会に参加させていただきました。しかも、その期間中は時給もいただき、有難かったですね。

正社員への転換の話をいただきましたが、仕事と趣味の両方を続けていきたいので、これからもパート社員として頑張るつもりです。

写真:株式会社文伸2社員

パート社員で長く勤めている人が多いのは雇用環境が良い証拠

制作課DTPオペレータ
秋山 順子 さん(30代)

     

 

 

 

 

昨年6月からパート社員として入社し、パソコンによる組版を担当しています。仕事を任せてもらい、デザインやレイアウトまでやれるところが一番のやりがいです。

分からないところは先輩たちが快く教えてくれます。長くお勤めのパート社員が多いのは雇用環境が良い証拠ではないでしょうか。

 

 

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東京都産業労働局 雇用就業部
労働環境課 雇用平等推進担当
電話:03-5320-4649