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非正規労働者雇用環境整備支援事業

企業名

写真:株式会社 シェヴ

株式会社 シェヴ

所在地 : 港区青山2-16-12 アヌシー青山5階
業 種 : 人材サービス業(家事・保育)
資本金 : 2,000万円
従業員数 : 214名 (うちパート199名)
企業URL : http://www.chezvous.co.jp/
                             (2008年7月現在)

 

取組内容

正社員間への転換制度の整備

短時間かつ不定期なベビーシッターやハウスキーパーの業務に、営業や事務などを加えた新しい職務形態を作り、専門職として正社員への転換を可能にしています。ベビーシッターから正社員の人材コンサルタントへの配置転換の実績もあります。
その他、時給から月給へ賃金体系を変更して活躍する社員もおり、個人の生活環境や要望に応じた勤務形態を設定しています。

円滑なコミュニケーションの実現

ベビーシッターなどの外勤職パート社員に対して、定期的に業務情報を提供し、また社員同士の交流を深めるためのパーティーを実施することなどにより、意思疎通を図っています。

会社とパート社員とのコミュニケーションの場を増やすことで、個々の希望や不安点を早めに聞くことができ、社員のロイヤリティの向上や個々の成長意欲が高まりつつあります。

また、パート社員から建設的な意見を聞く機会が増えています。

(2007年12月20日モデル企業指定)

 

トップインタビュー

家事支援サービス従事者に安定した労働環境を提供する


株式会社シェヴ
代表取締役 柳 基 善 さん

 

ベビーシッターやハウスキーパーの地位を高めていきたい

社名である "シェヴ"には、フランス語で「あなたのお家で」という意味がある。その名が示すように、同社では、都内12区と横浜など神奈川の一部エリアを対象に、利用者の自宅へ「ハウスキーパー」や「ベビーシッター」などの人材サービスを提供する事業を手がけている。

同社は、東京都の非正規労働者雇用環境整備支援事業において、トライ企業からモデル企業へとステップアップを果たした企業。ハウスキーパーやベビーシッターなどの外勤スタッフのほとんどは、利用者からの依頼に応じて現場に直行する"登録型"のパート社員という構成だ。

パート社員の勤務形態はさまざまで、最初の面談でスタッフの希望する勤務条件を聞き、会社はその条件に合うように稼働の調整を行っている。そのため、スタッフの稼働状況は、週に1~2回程度から、週に4~5回というフルタイムに近いものまでさまざまだという。

「うちは、誰もが登録できるというわけではないんです。質の高いサービスを提供できるよう、資格、経験のみでなく、誠実で、お客様から安心して仕事を任せられる方を優先して採用しています」

こう語るのは、代表取締役の柳基善社長だ。利用者のなかには、外国人駐在員も多いため、高い語学力を持つスタッフも少なくないという。

こうした高品質のサービスが認められ、2004年の設立以来、順調に業績を伸ばしてきた。そして登録スタッフが増えてきた06年末に、「従業員が安心して働くことのできる環境を整えたい」という思いからトライ企業に応募、雇用環境の整備に取り組み始めた。

背景には、 「日本では、まだまだ社会的地位の低いハウスキーパーやベビーシッターの職業的地位を高め、意欲ある人間が活躍できる土壌をつくりたい」 という柳社長の熱意があった。

 

安定した"稼働時間"の確保が急務

しかし、雇用環境改善を進める同社の前に、「安定した労働時間の確保」という点で、大きな問題が立ちはだかった。ハウスキーピングやベビーシッティングの利用者は、サービスが必要なときのみ依頼してくるため、仕事量の変動によってスタッフの稼働時間が左右される。

ハウスキーピングに関しては、「週2回/3時間」といったように、比較的安定的な長期契約を結んでいるケースが多いが、ベビーシッターの場合は、子どもの諸事情によって受注が変動するので、スタッフの稼働時間が安定しにくく、定まった労働時間を確保することが難しかった。

そこで、長時間の勤務を希望するスタッフに対して、会社としても稼働率アップの配慮をして、週30時間以上の労働時間を確保するよう努めた。そして、こうしたスタッフには社会保険・雇用保険に加入する体制を整えた。

「まだまだ時間はかかりますが、少しずつでも歩みを進め、スタッフが安心して働くことのできる環境を整えたいですね」 と柳社長はいう。

コミュニケーションの活性化と、公正な人事評価が、モチベーションをアップする
同社はまた、スタッフ間のコミュニケーションの活発化にも力を注ぐ。

一般的に、利用者の自宅へスタッフを派遣している企業は、守秘義務のある個人情報等が漏れるのを嫌って、スタッフ同士の接触を避けているケースが多い。そのためスタッフたちは、仕事上の問題が生じても、誰にも相談できずに一人で抱え込むことが多いのだ。

「スタッフたちの顔が見えないと、元気で働いてくれているのだろうかと、私どもとしても心配になります。ですから、守秘義務等の倫理感をしっかり徹底したうえで、コミュニケーションの場を設けているんです」

さらにこうした方針に基づき、「スタッフレター」を毎月作成。スタッフからの意見や、仕事上の注意事項などを載せて全員に配布することで、情報共有を図っている。加えて、年に一度、スタッフパーティーを開催し、その場で"ベストスタッフ賞"など様々な賞でスタッフへの表彰を行っている。

「ベストスタッフ賞は、利用者にアンケートを実施し、年間通じてお客様に非常に喜ばれたスタッフに対して贈られます。昨年は30名あまりが対象となりました。」「毎日スタッフたちと顔を合わせられないぶん、こうした交流の場を設けて頑張りを評価することで、スタッフのモチベーションアップに繋がると思っています。」

年に一度の人事評価では、できるだけ公平に判断するために、「利用者からの評価」、「稼働実績」、「クライアントとスタッフの調整役を担うコーディネーターからの評価」、「会社への貢献」など多方面から判断する。貢献度が高かったスタッフには、一部"奨励金"が支給される。

「ひとつひとつの取り組みを重ねることで、少しでもスタッフたちの働きに報いられればと思っています。雇用環境は、スタッフの仕事ぶりや責任感に大きく影響するもの。これからも、改善の努力を継続していきます」

 

従業員の声

写真:株式会社シェヴ社員

これまでの経験を活かしスタッフの教育係に


チャイルドケア・アドバイザー
斉藤 直子 さん

 

 

 

 

幼稚園、保育園、小学校のアフタースクールなどの勤務を経て、2005年にシェヴへ入社しました。早いもので、保育に携わって二十数年になります。

入社してから最初の1年間は、登録スタッフとしてベビーシッター業務に携わっていましたが、ある日社長から「スタッフたちにベビーシッター研修を行いたいので、手伝ってくれないか」と声をかけられたんです。ちょうど会社として、スタッフの労働環境改善に取り組み始めていたころで「ベビーシッターやハウスキーパーの地位を確立したい!」という社長の熱意を感じ、お引き受けしました。それをきっかけに"チャイルドケア・アドバイザー"という肩書をいただき、正社員となったのです。

現在の具体的な業務は、研修プログラムの企画から立案、そして実行まで。研修内容は、全部で10種類くらいありますね。新しいスタッフには、マナー研修や小児救急などのベーシック研修をおこない、次に0歳児、1歳児といった年齢別研修に入ります。そのほか、幼児の安全管理を学ぶセーフティー研修や、みんなで業務上の問題点を話し合うフリーディスカッションなども行っています。

私たちの仕事は、現場に出ると孤独なので、こうした研修の場が心の支えになるんです。長年、保育の仕事に携わってきて感じるのは、子育てにおける乳幼児期の大切さです。この時期に子どもとどう接するかで、その後のこどもの成長が大きく変わってきます。ベビーシッターは、家族と一緒に子育てに関わることのできる素晴らしい仕事ですから、これまで蓄積してきた私の経験をスタッフに共有することで、より良い子どもの未来を切り開いていきたいですね。

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