セミナー・労働教育
「パート・アルバイト・契約社員で働くときの基礎知識~労働法・社会保険・税金の仕組みを知ろう~」質疑応答
オンラインセミナーの内容について受講者よりいただいたご質問に対して、セミナー講師よりご回答いただきました。(令和7年9月28日まで掲載)
回答者(講師)
KSアドバイザリー代表取締役社長 宍倉社会保険労務士事務所所長
宍倉 健作 氏
【質問】
賃金の外貨払いは24条違反になりませんか。通貨とは日本国内で強制通用力のある貨幣、日銀券を云うのであり、ドル等は通貨には該当しないのではないですか。現物として支払う場合、労働協約で定める等の手当が最低限必要かと思います。賃金を外貨で国内在住の労働者に支払う際に必要な処置・手続き等をご教示頂ければ幸甚です。
【回答】
ご質問いただきありがとうございます。以下ご回答します。
ご指摘の通り、一般的には「通貨」と言えば円を指します。これは『通貨の単位および貨幣の発行等に関する法律』に定められている通りです。仮に円以外の通貨で支払う場合には、これもご指摘の通り労働協約が必要になります。
ただし、労働協約等がない場合であっても、ドル等の外貨で賃金を支払うことが直ちに法違反になるということではありません。労働者自身が自由意志に基づき賃金の一部をドルやユーロなど円以外の通貨で支払うことに個別に合意している場合は通貨払いの原則には反しないと考えられております。
また、より一般的なケースとも言えますが、(外国籍の方など)労働者本人から円以外の通貨での支払いを求められた場合に会社がこれに応じても違法とはならないと考えられています。(会社側に応じる義務はありません)
労働協約がない場合の手続きですが、あくまでも例外的な扱いとはなりますので明確なルールはありません。通常は、本人が申出ていないのに、会社側が外貨での支払いを要望することは考えにくいですが、 その場合には本人が本人の外貨での支払いに同意した旨の書面があるとよいと考えます。
他方、労働者本人が個人的な事情により外貨での支払いを申し出た場合は、その内容を書面で残すことが望ましいと考えます。特に賃金のベースが円貨であることを基礎として、為替レートをどのように考え、外貨での支払いについて具体的に取り決めておくことがよいかと思います。以上
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