東京ライフ・ワーク・バランス認定企業制度
認定企業意見交換会
これまでに認定された企業同士での意見交換会を平成27年2月26日に開催し、7社12名が参加しました。
コーディネーターとして学習院大学経済学部教授の脇坂明先生をお呼びし、各企業がワークライフバランス推進に取り組んだきっかけや取組内容などについて意見交換を行いました。
また、仕事と介護の両立等についても各企業間で意見交換がされました。
最初に、取組を開始したきっかけについて、各企業よりお話がありました。
■取組のきっかけについて
・長時間労働、残業が当たり前の中、働き方を変えようと社長が決意した。
・長時間労働を強いる経営では人材が定着せず、仕事のやり方を工夫し、女性や育児中の社員でも長く働き続けられるよう取組を開始した。
・女性社員が多く、育児・介護との両立に取り組まなければ、従業員の離職が必然で、会社を維持していくため自然と取り組むようになった。
・育児休業に入ったり、復帰したりする社員が増えていくにつれ、そういった社員を全員、補助的業務にあてがっていては会社が回らないため、制約のある社員でも主要業務をこなせるよう取組に着手した。
取組開始のきっかけに加え、取組内容やその工夫、効果について意見が交わされました。
■取組の内容、工夫、効果について
・社員たち自身で自社の働き方のルールを決める委員会を運営し、毎月話し合って、就業規則に反映するなどしている。
・ワークライフバランスの推進について考えるワーキンググループを作り、定期的に社内の講習会などを実施している。定期的に情報の発信を行うことで、育児中の社員への配慮や休業を取得することなどへの理解が社内全体に広まっている。
・ファミリーデーやCSR活動を行っている。社員の家族を会社に呼ぶことによって、会社と社員の家族との距離も、社員同士の距離も近くなり、相互の理解を深めるのに役立っている。
・時間単位有給休暇制度を導入したことによって、数時間の休暇で足りる用事(育児、介護等)に有給休暇を一日分使わなくても対応できるようになった。
・社員同士のコミュニケーションを取る場を作り、プライベートな予定も申し出やすい雰囲気づくりに努めている。社員同士のコミュニケーションが活性化されることで、制度を利用しやすい風土ができあがった。
・社員が本来注力すべき業務に集中するため、付随業務などは思い切って外部委託にした。また、従来の書類作成業務を見直し、重複書類の排除や省力化に努めた。残業がなくなり、女性や育児中の社員でも無理なく働けるようになった。パート・アルバイトから正社員になることを希望する者も増えてきた。
今後多くの企業で課題となりうる「仕事と介護の両立」についても、各企業より取組内容について、発表がありました。
■仕事と介護の両立に関する取組について
・介護についての知識を得られる講習会を開いたり、ディスカッションを行ったりしている。
・介護に合わせて、雇用形態(正社員、パート)・労働時間などを柔軟に調整している。
・テレワークを導入し、在宅勤務が可能な体制を作っている。
・介護をしている社員の実態を把握するため、社員アンケートを実施した。
・介護を体験した社員による社内講習会を開催する予定である。
・面談を実施し、どのように両立してくのかをよく話し合っている(被介護者の状況、家庭等の協力体制、近距離・遠距離)。被介護者の状況は人によって様々で、社員によってどのような勤務がよいか等の対応は異なる。
また、ワークライフバランス推進に継続して取り組んでいくにあたっての課題については、以下のようなことがあげられました。
■今後の課題について
・育児がひと段落した社員の残業が多くなりがちである。
・会社の規模が今後大きくなっていったときに、ワークライフバランスに関する考え方等をどのように浸透させていくか。
・短時間勤務社員のカバーをする社員からときどき不満が出ることがある。
・ボトムアップで始めた取組を経営層に理解してもらうのに苦労することがある。
・ワークライフバランスを推進していくにあたって、顧客・取引先の理解をどうやって得ていくか。
・育児・介護・病気等の社員の事情を会社、周囲の社員へどこまでオープンにさせていくべきか。
企業間で活発な意見交換がなされ、脇坂先生からは他社の事例等をご紹介いただきました。
参加企業からは、他社の取組を拝聴する貴重な機会となった、非常に参考となった等の感想がありました。
ワークライフバランス推進は、「制度面」「意識面」の両面から取組を行っていく必要があるという意見が出され、脇坂先生からも同様の発言がありました。
東京都では、今後も東京ワークライフバランス認定企業の取組を広めるなど、都内企業のワークライフバランス推進に向けて、様々な取組を行っていく予定です。
PDFファイルをご覧になるには下記のソフトが必要です。
必要に応じてダウンロードしてください。
お問い合わせ先東京都産業労働局 雇用就業部 |